5月の夕暮れ、部屋の明かりをつけた途端、窓の外に小さな虫がびっしり——。沖縄で暮らしていれば、一度はぞっとした経験があるのではないでしょうか。正体は多くの場合シロアリの羽アリ。じつはこの時期、県内の家々はいっせいに「群飛シーズン」へ突入しています。

厄介なのは、本土の情報がそのまま通用しないことです。ヤマトシロアリは本土より2ヶ月も早く飛び始め、梅雨には最強クラスのイエシロアリが夜の電灯に群がり、真夏はダイコクシロアリまで加わる。2月から9月まで、一年の半分以上どこかの種類が飛んでいる、全国でもかなり特殊な地域なのです。

このページは、県内17市町村・75件を超える現場で施工してきたシロアリ消防隊が、「いま飛んでいるのはどれか」「うちは危ないのか」を3分で確認できるようにまとめた保存版です。

目次

沖縄の羽アリ発生カレンダー【月別の時期早見表】

まずは結論から。沖縄で羽アリが飛ぶ時期と時間帯を、月ごとの一覧表にしました。

時期(月)沖縄で飛びやすい種類主な時間帯警戒度
1月ほとんど飛ばない(まれに室内で羽アリを見ることも)
2月ヤマトシロアリ昼間(雨上がり)★★★
3月ヤマトシロアリ昼間★★
4月ヤマトシロアリ(終盤)/イエシロアリ(走り)昼〜夕方★★★
5月イエシロアリ/ダイコクシロアリ夕方〜夜★★★★★
6月イエシロアリ/ダイコクシロアリ/アメリカカンザイシロアリ夕方〜夜★★★★★
7月イエシロアリ(終盤)/ダイコクシロアリ/アメリカカンザイシロアリ★★★★
8月ダイコクシロアリ/アメリカカンザイシロアリ★★★
9月アメリカカンザイシロアリほか散発昼〜夜★★
10〜12月ほぼなし(暖かい室内でまれに発生)

※群飛の時期は公益社団法人 日本しろあり対策協会の公開情報と、当社が沖縄の現場で積み重ねてきた経験をもとに作成しました。羽アリの発生は年や天候によって前後します。

本カレンダーの転載・引用は歓迎します。その際は出典として本ページ(シロアリ消防隊)へのリンク、またはURLの明記をお願いします。自治会の回覧や学校の自由研究など、非商用での利用ももちろん大丈夫です。

押さえてほしいポイントは3つあります。

  • 沖縄のヤマトシロアリが飛ぶ時期は2月。本土(4〜5月)より2ヶ月も早く、「冬なのに羽アリ?」は見間違いではありません
  • 最大の山場は5〜6月。梅雨と重なり、住宅への加害が最も深刻なイエシロアリが夕方から夜にかけて大群で飛びます
  • 真夏の夜にポツポツ現れるのはダイコクシロアリかもしれません。乾いた木材を食べる、南西諸島ならではの種類です

種類別|沖縄の羽アリが飛ぶ時期と見た目の特徴

同じ群飛でも、種類によって被害の深刻さも対処のしかたも変わります。ここからは一種類ずつ、くわしく見ていきましょう。

イエシロアリ|5〜7月の夕方〜夜【最重要】

沖縄の住宅被害の主役がイエシロアリです。羽アリが飛ぶ時期は5〜7月、ゴールデンウィーク明けから梅雨明けまでに集中します。ひとつの巣に数十万匹、大きなものでは100万匹規模のコロニーをつくり、加害のスピードも桁違い。県内のシロアリ被害の大半はこの種類によるものです。

  • 時間帯:夕方から夜。強い明かりに引き寄せられる
  • 見た目:体は黄褐色、羽は淡い黄色。羽を含めた体長は15mm前後
  • サイン:雨の翌日の蒸し暑い晩、外灯やコンビニの明かりに大量に群がる

窓の隙間から入り込み、そのまま天井裏や壁の中に新しい巣をつくられてしまうケースもあります。網戸とカーテンで明かりを漏らさないことが、まず第一の防御です。

忘れられないのは、去年の6月、うるま市の現場からの帰り道のこと。夕立のあと、コンビニの外灯のまわりが吹雪のように白く煙っていて、車を停めてよく見ると全部イエシロアリでした。ああいう晩は、近くの住宅街のどこかで必ず新しい巣づくりが始まっています。翌週、そのすぐ近くのお宅から点検のご依頼をいただいたのは、偶然ではないと思っています。

ヤマトシロアリ|2〜3月の昼間【本土より2ヶ月早い】

日本しろあり対策協会の資料では、ヤマトシロアリの群飛は全国では4〜5月、沖縄では2月ごろとされています。実際、県内では旧正月のあたり、雨上がりの暖かい昼間に羽アリがいっせいに飛び立つ光景が見られます。この時期のご相談は「クロアリだと思っていた」という方がほとんどです。

  • 時間帯:昼間。とくに雨上がりで気温が上がった日
  • 見た目:体は黒褐色、羽は半透明の淡い黒。体長は7mm前後
  • サイン:水回りの床下や、雨漏りしている木部からの発生が多い

湿った木材を好むため、お風呂まわり・台所の床下・雨漏り箇所が狙われやすい種類です。

ダイコクシロアリ|5〜8月の夜【乾いた木材も食べる】

ダイコクシロアリは奄美から沖縄にかけて分布する乾材シロアリで、水分の少ない乾いた木材でも食べてしまう厄介者。羽アリが出る時期は5〜8月の夜で、一度に大量ではなく、少数ずつ何度も飛ぶのが特徴です。

  • 時間帯:夜。電灯の周りに集まる
  • 見た目:淡い黄褐色。兵蟻は頭が黒っぽく角ばっている
  • サイン:家具や建具の下に、砂粒のような乾いたフンがたまる

土と縁を切って家具の中だけでも生きられるため、床下対策だけでは防ぎきれないのがこの種類の怖さです。

アメリカカンザイシロアリ|6〜9月の昼【外来種】

輸入木材や家具にまぎれて全国に広がっている外来種で、沖縄でも家具からの発生例が確認されています。羽アリが飛ぶ時期は6〜9月の昼間、複数回に分けて群飛するため、「先月も見たのにまた出た」となりやすい種類です。フンの形がダイコクシロアリと似ているので、判別は専門家にお任せください。

沖縄で羽アリが大量発生しやすい日|時期×天気×時間帯の法則

「毎日飛んでいるわけではないのに、なぜあの日だけ大量に?」——群飛には、はっきりした条件があります。

  • 雨が降った翌日、気温がぐっと上がった日
  • 湿度が高く、風の弱い日
  • イエシロアリとダイコクシロアリは日没後、電灯やテレビの明かりの周り
  • ヤマトシロアリは昼間、雨上がりの暖かい時間帯

沖縄の梅雨は例年5月中旬から6月下旬。この時期は上の条件がそろいっぱなしで、羽アリの群飛が連日のように起こります。夜は窓を開けない・カーテンを閉めて明かりを外に漏らさない。それだけでも屋内への侵入はかなり減らせます。

逆に言えば、台風前後の強風の日や、気温がぐっと下がった日はほとんど飛びません。「昨日は何もなかったのに今日は大発生」という落差は、たいてい天気で説明がつきます。

群飛が寄ってきやすい家・そうでない家

同じ地域でも、毎年のように群飛に悩まされる家と、ほとんど見ない家があります。当社の点検経験から見えてきた「寄ってきやすい家」の共通点はこちらです。

  • 夜、白い光の外灯や玄関灯をつけっぱなしにしている
  • 庭に切り株・廃材・古い杭・使っていないウッドデッキがある
  • お風呂や台所の床下がジメジメしている、または雨漏りを放置している
  • 建てて(または前回の予防工事から)5年以上、床下を見ていない

思い当たる項目が2つ以上あれば、群飛シーズンの前に一度床下をのぞいておく価値があります。外灯を虫が寄りにくい暖色系のLEDに替えるだけでも、飛来はかなり減りますよ。

ちなみに、庭の切り株や廃材は「いつか片付けよう」と思っているあいだに、エサ場から巣へと育っていきます。撤去がむずかしい場合でも、家の基礎からできるだけ離しておくだけで意味があります。

その虫はシロアリ?クロアリ?30秒でできる見分け方

群飛の時期はクロアリも飛ぶため、沖縄の窓辺に付いた羽アリがどちらなのか、まず落ち着いて確認しましょう。クロアリなら家が食べられる心配はありません。見るポイントは3つだけです。

見るところシロアリクロアリ
触角まっすぐで数珠状くの字に曲がる
4枚ともほぼ同じ大きさ前の羽が大きく後ろは小さい
胴体寸胴でくびれがない腰が細くくびれている

落ちている羽だけでも判別は可能です。シロアリの羽は抜け落ちやすく、窓際や床に羽だけがパラパラ落ちているのは、むしろ本体が屋内に入り込んだ危険なサイン。スマホで写真を撮っておくと、業者に相談するときに話が早く進みます。

なお、クロアリの群飛だった場合も「家のまわりに巣がある」サインではあります。木材を食べることはありませんが、湿った木部に巣を掘るオオアリの仲間もいるため、「クロアリだから放置でOK」と言い切れないケースも。判断に迷ったら、写真だけでもお送りください。

家の中に出たときの対処法|やること・やってはいけないこと

羽アリの時期に沖縄のご家庭から最も多いご相談が、「とりあえずスプレーしてしまったけど大丈夫?」というものです。結論から言うと、それだけは避けてほしいのです。順を追って説明します。

まずやること

  1. 掃除機で吸い取る(紙パックごと密封して捨てる)
  2. 粘着テープで取る。出入り口に貼れば侵入防止にもなる
  3. 発生した場所・日時・おおよその数をスマホで記録しておく
  4. 窓を閉め、カーテンで明かりを外に漏らさない

業者に相談するときに伝えると早い情報

点検の予約と当日の調査がぐっとスムーズになるので、次の4点をメモしておいてください。

  • いつ・どの部屋で・何匹くらい出たか
  • 昼だったか、夜だったか(種類の見当がつきます)
  • 羽や本体の写真(ピンボケでも役に立ちます)
  • 築年数と、過去に予防工事をしたことがあるかどうか

やってはいけないこと

殺虫スプレーを壁の隙間や巣穴に向けて噴射するのはNGです。目の前の数十匹は倒せても、床下の巣には数万〜数十万匹が残っています。薬剤に驚いた群れが別の場所へ分散し、被害箇所がかえって読めなくなるおそれすらあります。実際、当社が点検にうかがった住まいでも、スプレー後に蟻道が枝分かれしていたケースがありました。

群飛そのものは数日でおさまります。ただし「いなくなった=解決」ではなく、巣はその後も一年中動き続けます。ここで床下点検を入れるかどうかが、数年後の修繕費を大きく左右します。

放置するとどうなる?無料点検と料金の目安

沖縄でイエシロアリの羽アリを見た家の床下からは、高い確率で蟻道や食害が見つかります。この時期のサインを見逃したまま数年放置すると、土台や柱の補修まで必要になり、駆除の費用とは別に数十万円〜百万円単位の出費になることも珍しくありません。

補修が必要になるかどうかの分かれ目は、被害が土台や柱といった構造材まで届いているかどうか。内装材の浅い食害の段階で見つかれば駆除だけで済むことが多く、早く見つけるほど総額は確実に安くなります。

シロアリ消防隊の床下点検は完全無料です。料金プランは次の3つ。

プランこんな方に料金
予防プラン被害はまだない・予防したい80,000円(税別)〜
駆除プラン群飛や蟻道などのサインが出ている110,000円(税別)〜
完全プラン駆除と予防をまとめて行いたい180,000円(税別)〜

※建物の構造や大きさによって料金は変動します。エリアによっては交通費を別途いただく場合があります。

くわしい費用の考え方や業者選びのコツは沖縄のシロアリ駆除料金と業者の選び方で解説しています。プランの詳細は料金ページへどうぞ。比較の際は、金額だけでなく再発保証の有無と保証年数まで必ず確認してください。

実際の施工の様子は県内17市町村の施工実績まとめでご覧いただけます。

予防のベストタイミングは、群飛シーズンが始まる前

駆除も予防も工事そのものは一年中できますが、コストパフォーマンスがいちばん高いのは「飛び始める前の予防」です。理由はシンプルで、巣が家に定着してからの駆除は、薬剤の処理範囲も補修の手間も大きくなりがちだからです。

県内であれば、ヤマトシロアリが動き出す前の12〜1月、遅くともイエシロアリの群飛が本格化する前の3〜4月までに床下点検を済ませておくのが理想です。予防処理は、土壌と木部に薬剤を処理するバリア工法が基本で、効果の目安はおおむね5年。「前回の工事から5年たったかどうか」が、点検を入れるよい目安になります。

なお、点検の結果「処理は不要」と判断すれば、その旨をはっきりお伝えします。無料点検だけで終わるお宅も、実際にたくさんありますよ。

よくある質問(FAQ)

Q1. 家の中で羽アリを2〜3匹だけ見つけました。この程度なら大丈夫?

数が少ないことは安心材料になりません。近所の巣から飛んできた個体が迷い込んだだけなら問題ありませんが、家の中の巣から出てきた「先発隊」という可能性もあります。数日続けて見かける、羽だけが落ちている、という場合は点検をおすすめします。

Q2. 2月に飛んでいるのはシロアリですか?

沖縄ではその可能性が十分あります。ヤマトシロアリの羽アリが飛ぶ時期は、本土では4〜5月ですが県内では2月ごろ。「冬だから大丈夫」という本土の常識は通用しません。

Q3. アパートやコンクリート住宅でも被害はありますか?

あります。イエシロアリはコンクリートの継ぎ目や配管まわりのわずかな隙間から侵入し、内装材や木製の造作を食べます。実際、当社が対応してきた被害の中にもコンクリート住宅の事例は数多くあります。「RC造だから安心」という思い込みが、発見を遅らせるいちばんの原因です。

Q4. 羽アリの時期が過ぎたら、もう安心してよいですか?

いいえ。群飛は巣の「引っ越しイベント」にすぎず、巣そのものは一年中活動しています。とくに沖縄は冬でも暖かく、シロアリの動きが止まりません。蟻道や、柱を叩いたときの空洞音に気づいたら、季節を問わず点検してください。

Q5. 点検だけ頼んでも本当に無料ですか?

はい、完全無料です。床下の写真をお見せしながら状況をご説明し、必要のない工事はおすすめしません。お見積り後にしつこい営業もしませんので、他社の診断を確かめたいというセカンドオピニオン的な使い方も歓迎です。

Q6. このカレンダーを資料やサイトで使ってもいいですか?

どうぞご利用ください。その際は出典として本ページへのリンク(またはURLの明記)をお願いします。図表を加工して使いたい、印刷して配りたいといったご要望も、お問い合わせフォームからご連絡いただければ柔軟に対応します。

まとめ|飛ぶ月を知っていれば、あわてなくていい

最後にもう一度だけ。沖縄の羽アリの時期は、ざっくり覚えるならこうです。

  • 2〜3月:ヤマトシロアリ(昼・雨上がり)
  • 5〜7月:イエシロアリ(夕方〜夜・最警戒)
  • 5〜8月:ダイコクシロアリ(夜・少数ずつ)
  • 6〜9月:アメリカカンザイシロアリ(昼・複数回)

見つけたら「吸って・記録して・相談する」。この順番だけ覚えておけば大丈夫です。スプレーはぐっと我慢してください。

このページはブックマークしておいて、群飛シーズンの前にときどき見返してもらえたらうれしいです。カレンダーは、現場で新しい傾向がつかめしだい更新していきます。

シロアリ消防隊は県内全域で床下の無料点検を行っています。「さっき群飛を見た」というお電話には、できるかぎり早く駆けつけます。

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